大事な仕事の会議中なのに、つい眠ってしまうことってありませんか?日中の強い眠気、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS*)という病気のサインかもしれません。
本記事では、日中の眠気に潜む病気のリスクについて、看護師である筆者が解説します。
SASの症状は、夜間のいびき、無呼吸、日中の強い眠気、しっかり寝ているのに眠れた気がしないなどです。SASは高血圧・心筋梗塞・脳卒中などの合併症が起こりやすいと言われています。[1][2]
医療系Webライター原田ひとみさん
症状をそのままにしておくと将来、心筋梗塞・脳梗塞などの重大な病気を発症するリスクが高まるため、早期発見・早期治療が重要です。
あなたの症状が病気のサインに当てはまっていないか、一緒にチェックしていきましょう。もし病気の症状に当てはまる場合は、早めの受診がおすすめです。病気の検査や治療法についても解説しているので、参考にしてください。
眠気が起こるメカニズムとは?


まずは眠気がどのように起こるのか、メカニズムを解説します。
人間の身体には「概日リズム」と呼ばれる体内時計があり、睡眠と覚醒のリズムを調整しています。体内のリズムが乱れることも、日中に眠気を引き起こす原因の一つです。[3]
また、人は通常、睡眠によって脳や身体の疲労を回復しています。睡眠不足や睡眠の質が低下した状態が続くと、十分な休息が取れず、日中の強い眠気につながることがあります。
食後に眠くなってしまう方も多いのではないでしょうか。食後の眠気は、誰にでも起こりうる生理的な反応で、日常生活でもよくみられます。



原田ひとみさん
一時的な眠気であれば過度に心配する必要はありません。
睡眠障害って?日中の過度な眠気に注意


睡眠障害とは、何らかの原因で十分な睡眠がとれていない状態を指します。
こちらが代表的な睡眠障害です。
- 不眠症
- SAS
- ナルコレプシー症候群
- 特発性過眠症
- レム睡眠行動障害
- むずむず脚症候群
これらの疾患では、日中の眠気や睡眠の質低下などの症状がみられることがあります。診断には問診に加え、必要に応じて睡眠検査が行われます。[4]



原田ひとみさん
しっかり寝ているつもりなのに、日中の過度な眠気に悩んでいる方は検査を検討してみましょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは


睡眠障害の一つであるSASは、睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返すことで睡眠が浅くなる病気です。SASのおもな症状として、日中の強い眠気、睡眠中のいびきや無呼吸、熟睡感の低下、起きた時の頭痛などが挙げられます。[1]
SASでは、睡眠中に以下のことが起こります。
- 舌が落ち込む
- 気道が狭くなる
- いびき・無呼吸が起こる
- 脳が覚醒する
上記を繰り返し、無呼吸や低呼吸の状態になることで睡眠が浅くなり、十分な休息が取れません。そのため、日中の強い眠気やだるさなどの症状につながることがあります。
また、SASは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも関連があるとされています。[1][2]
SASの診断に必要な睡眠検査について


睡眠検査は「PSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)」と呼ばれ、身体に専用のセンサーを装着して行います。検査では、睡眠中の脳波や呼吸の状態、筋肉の動きなどを測定します。[1][2]
SASの診断には、「AHI(無呼吸低呼吸指数)」という数値が用いられます。AHIは、1時間あたりに起こる無呼吸や低呼吸の回数で、数値によって重症度を判定します。[1]
PSG検査と簡易検査の違い
睡眠検査にはPSG検査のほかに簡易検査もあり、以下のような違いがあります。
| PSG検査 | クリニックや病院に入院して行う精密検査。脳波や睡眠段階も測定できる。 |
| 簡易検査 | 自宅でできる検査。呼吸状態や血液中の酸素濃度などを測定し、SASの可能性があるかを確認する。 |
簡易検査で得られる情報は限定的なため、重症度の目安として用いられ、必要に応じてPSG検査を追加で行う場合もあります。[1]
自宅でできるPSG検査
最近では、自宅で睡眠状態を測定できる在宅型PSG検査機器もあり、入院での検査が難しい場合に用いられます。
在宅型検査は、環境の変化によるストレスが少なく、普段に近い状態で検査を受けられる点が特徴です。



原田ひとみさん
ただし、対応している医療機関は限られるため、詳細は受診先へ確認しましょう。
検査の費用はいくら?
PSG検査や簡易検査、在宅型PSG検査は、基本的には健康保険が適用されます。入院によるPSG検査の自己負担額は、保険負担割合や医療機関によって異なります。
以下は、独立行政法人国立病院機構の「北海道がんセンター」と「鳥取医療センター」における、PSG検査の費用例です。
さらに、別途入院費や食事代、個室料金などが必要となる場合もあります。
簡易検査や在宅型PSG検査は自宅で実施できる検査であり、費用は基本的にPSG検査よりも低いでしょう。



原田ひとみさん
検査内容や医療機関によって異なるため、クリニックや病院のWebサイトなどで事前に確認しておくと安心です。
SASの治療方法について


SASには、CPAP療法とマウスピース療法などのさまざまな治療方法があります。他にも生活習慣の改善や手術のような選択肢もあり、重症度などに応じて選択されます。
ここでは一般的なCPAP療法とマウスピース療法について、それぞれどのような特徴があるか紹介しましょう。SASの治療方法を選ぶ際の参考になれば幸いです。
CPAP療法
CPAP療法はSASの代表的な治療法です。AHIの数値が中等症以上の方が適応となります。CPAP療法では、鼻に専用のマスクを装着して就寝します。
睡眠中にマスクから一定の風圧をかけることで、気道の閉塞を防ぎ、無呼吸や低呼吸の改善をはかる治療法です。



原田ひとみさん
空気の通り道が確保されることで、睡眠中の呼吸が安定し、身体へ十分な酸素を取り込みやすくなります。
その結果、日中の眠気や睡眠の質改善が期待できるのです。[1][2]
マウスピース療法
軽症〜中等症のSASでは、マウスピースによる治療が行われるのが一般的です。マウスピース療法では、歯科医院で歯型を取り、自分専用の装置を作製します。
日中の眠気は病気の可能性も!睡眠検査をしよう


いかがでしたか?日中の強い眠気やいびき、熟睡感の低下などの症状が続く場合、SASをはじめとした睡眠障害が隠れている可能性があります。



原田ひとみさん
現在では、入院で行うPSG検査だけでなく、自宅で行える簡易検査や在宅型PSG検査も普及しています。
簡単な検査からはじめることもできるので、気になる症状がある場合は早めに医療機関へ相談し、一度睡眠検査を受けてみましょう。


医療系Webライター:原田ひとみさん
看護師として大学病院の外科病棟で7年勤務後、内科系クリニックに転職し現在在籍中。看護師で働く傍ら、持っている医療知識を分かりやすく一般の方にも伝えたい思いで医療系Webライターの活動を開始。内科・外科両方の幅広い知識や経験を活かし、親切丁寧で分かりやすい文章をモットーに執筆をしています。「第23回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。
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原田さんも受講した、「医療ライターのはじめかた講座」とは?









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