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尿検査で白血球が陽性でも癌とは限らない|陽性反応の見方と受診の目安

健康診断を受けると、必ずある項目の一つが「尿検査」。

「白血球」や「潜血」「尿蛋白」にチェックがついていると、「もしかして癌?」「病院に行くべき?」と不安になる方もいるでしょう。

尿検査で陽性反応が出ても、必ずしも重大な病気を意味するわけではありません。ただし、放置して良いサインとも限らないため、結果の見方や受診の目安を知っておくと安心です。

看護師ライター

あいざわあいさん

本記事では、現役の泌尿器科看護師が、尿検査の検査項目の見方や陽性が示すリスク、受診の目安をわかりやすく解説します。

受診前に準備しておきたことも紹介するので、健診結果と自分の症状を照らし合わせながら、確認してください。

目次

尿検査の白血球陽性だけで癌と判断されるわけではない

健康診断の尿検査で「白血球陽性」の文字を見ると、最悪の事態を想像してしまうかもしれません。しかし、白血球が陽性だからといって、すぐに癌と結びつくわけではありません。

尿中の白血球は、尿の通り道で炎症や感染が起きている可能性を示す項目です。膀胱がんなどで、白血球や潜血が同時に陽性になることもありますが、尿検査だけで癌と診断されることはありません

看護師ライター

あいざわあいさん

必要に応じて「細胞診」や、「画像検査」などを行い、医師が総合的に判断します。

そのため、白血球陽性という結果だけで過度に怖がる必要はありません。健診結果に「再検査」や「要受診」と書かれる場合は、泌尿器科に相談し、必要な検査につなげていきましょう。

尿検査では何をチェックしている?

健康診断で行われる尿検査は、体への負担が少なく、手軽に受けられる検査の一つです。しかし、得られる情報は非常に多く[1]体が発する小さなサインをキャッチする重要な役割を持っています

尿検査は体の異常を見つけるきっかけになる

尿は、全身を巡ったあとの血液が腎臓で濾過されて作られる排泄物です。通常、尿の中には血液(潜血)や白血球が多く含まれることはなく、体の大切な栄養素である蛋白もごく微量にとどまります。

しかし、腎臓や尿の通り道に何らかの問題があった時に、血液や蛋白、白血球などが尿の中に通常より多く検出されることがあります。[2]

看護師ライター

あいざわあいさん

自覚症状のない初期の段階で、体の異常を見つける大切なきっかけをくれているのです。 

陽性判定は「詳しく確認したいサイン」

健診で使われる「尿試験紙」は非常に感度が高く、少しの成分にも反応するように作られています。尿試験紙とは、尿をかけると成分に応じて色が変化する、検査用の紙のことです。 

本来は白血球や赤血球(血液)とは異なる物質に反応してしまい、陽性ではないのに「偽陽性」を示す可能性があるのです。

陽性判定はすぐに大きな病気を意味するものではありません。

看護師ライター

あいざわあいさん

あくまで「何か理由がありそうだから、念のため専門医のところで詳しく確認してみましょうね」というサインなのです。

陽性反応が出た!その項目が示すサインとは

尿検査でチェックされる項目には、それぞれ異なる役割と意味があります。「陽性」が出たとき、体の中でどのようなことが起こっている可能性があるのか、項目ごとに見ていきましょう。

白血球|尿路の感染や炎症

尿検査で白血球が陽性になるのは、主に腎臓や膀胱など「尿の通り道」に炎症が起きているときです。原因としては、膀胱炎や尿道炎などの感染症が挙げられます。

ただし、まったく自覚症状がないのに陽性になるケースも少なくありません。採尿時に尿道口周辺の汚れが混ざる「偽陽性」の場合もあります。

看護師ライター

あいざわあいさん

中には体の中で炎症が起きていても、痛みや残尿感などの症状を感じにくいケースもあります。

白血球陽性=すぐに大きな病気や治療が必要とは限りません。しかし、「痛くないから大丈夫」と自己判断で放置すると、症状が悪化するリスクもあるため、必ず泌尿器科で詳しい検査を受けましょう。

潜血|腎臓あるいは尿路からの出血

「潜血」とは、尿の中に目に見えない程度の血液が混じっている状態です。「癌かもしれない」と不安になる方もいるかもしれませんが、尿検査でよく見られる陽性反応の一つです。

原因は、尿管結石や膀胱炎、腎臓の異常などさまざまです。

看護師ライター

あいざわあいさん

また、病気ではなく、生理や激しい運動など一時的な要因で陽性になることもあります。

尿蛋白|腎障害の可能性

蛋白は、健康な状態であれば腎臓のフィルターで回収され、尿に出てくることはほとんどありません。陽性になるということは、腎臓のフィルター機能の異常や、腎臓に何らかの負担がかかっている可能性があります。[3]

また、運動後、入浴後、発熱時、精神的ストレス、また水分不足で尿が濃くなっているときなどにも、一時的に蛋白が検出されることがあります。[4]

看護師ライター

あいざわあいさん

一度の健診結果だけで「腎臓の病気だ」と決めつけることはできませんが、放置すると慢性腎臓病などのリスクを見落とす原因にもなりかねません。

日を改めて再検査を行うことが大切です。

尿検査で陽性が出たときの受診先と受診の目安

健診で「陽性」の通知を受け取ったものの、「何科に行けばいいの?」「どれくらい急ぐべき?」と迷う方は少なくありません。ここでは、適切な受診先と、受診を急ぐべき目安を解説します。 

白血球や潜血が気になる時は泌尿器科に相談

尿検査の結果で白血球や潜血尿蛋白などが陽性になった場合は、自己判断せず医療機関で相談しましょう。

内科でも相談できますが、白血球や潜血など尿の通り道の異常が疑われる場合は、泌尿器科でより詳しく確認できる場合が多いです。必要に応じて尿の詳しい検査や細菌の有無を調べる検査を行い、治療が必要かどうかを判断します。

看護師ライター

あいざわあいさん

泌尿器科は、尿のトラブルについて相談しやすい診療科です。健診結果の紙を持参し、安心して相談してみてください。

痛みや血尿などを伴う場合は早めに受診

以下のような症状を伴う場合は、なるべく早めの受診が必要です。

  • 目に見えて尿が赤い(肉眼的血尿)[5]
  • おしっこをするとき、またはその後に強い痛みがある[6]
  • 腰や背中、下腹部に激しい痛みがある[7]
  • 急な高熱やさむけ、ふるえが出た[8]
看護師ライター

あいざわあいさん

潜血陽性に加えて目で見てわかる血尿がある場合や、白血球陽性に加えて高熱がある場合は、重い炎症や腎盂腎炎、癌などが隠れている可能性があります。

迷わず早めに泌尿器科を受診しましょう。

受診前に準備しておきたいこと

ここでは、泌尿器科をスムーズに受診し、より正確な診断を受けるために、事前に準備・確認しておきたいポイントを3つ紹介します。 

来院前は排尿を控えておく

泌尿器科では、診察時に尿検査やエコー検査を行うことがあります。検査内容によっては膀胱に尿が溜まっている必要があるため、来院の1〜2時間前からはできる範囲で排尿を控えておくと安心です。

我慢が難しい場合は、トイレに行く前に受付やスタッフへ相談しましょう。 

服用中の薬やサプリメントを控えておく

ビタミンC(アスコルビン酸)のサプリメントや、特定の薬剤は、当日行う尿検査の結果を狂わせてしまうことや、排尿障害の原因となることがあります。[8][9]

可能であればサプリメントの当日摂取は控え、普段飲んでいるお薬がある場合は「お薬手帳」を必ず持参して医師に提示しましょう。 

具体的な症状を整理しておく

医師に状況を正確に伝えるために、受診前に症状や検査結果を整理しておくと安心です。

健診の結果用紙は必ず持参し、他院で受けた直近の尿検査結果があれば、一緒に持っていきましょう。

看護師ライター

あいざわあいさん

また、痛みの場所や残尿感、尿の色など気になる症状がある場合は、いつから続いているのかもメモしておくと、診察時に伝えやすくなります。

発熱がある場合は、自宅で検温し、受付時に伝えましょう。

尿について気になる時は、早めに泌尿器科を受診しよう

健康診断の尿検査で白血球陽性や潜血、尿蛋白が陽性になっても、それだけで大きな病気と決まるわけではありません。水分不足や疲れ、生理など一時的な変化のこともあります。

看護師ライター

あいざわあいさん

一方で、「痛くないから大丈夫」「内科で薬をもらったから」と自己判断で放置すると、腎臓や尿路のトラブル、重症化する病気を見落とす可能性もあります。

結果が「陽性」だった場合は一人で悩まず、尿の専門家である泌尿器科をぜひ頼ってください。

この記事の執筆者

看護師ライター:あいざわあいさん

東京から東北地方に移住し、ゆるやかに二拠点生活を送る。現在は地域唯一の泌尿器科クリニックに勤めながら、看護師ライターのほか、ツアーナースやイベントナースとしても活動中。医療の最前線から一次産業にわたる幅広い経験を活かし、多角的な視点から執筆。専門的な内容を暮らしになじむ言葉で丁寧に届けることを心がけています。「第23回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。

あいざわさんも受講した、「医療ライターのはじめかた講座」とは?

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