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妊娠中に薬を飲んでも大丈夫?注意するべき市販薬の成分

妊娠中に体調が悪いとき、「市販の薬を飲んでも大丈夫なのかな?」と不安になりますよね。とくに初めての妊娠では、赤ちゃんへの影響が心配で薬に頼っても良いのか迷ってしまうこともあるかと思います。

また、病院で処方される薬は医師の判断にもとづいていますが、「急な体調不良で受診が難しい」といったこともあるでしょう。「市販薬はなんとなく不安」と思っている方もいらっしゃると思います。

薬を飲むことに不安があると、妊娠中に薬を飲むのは良くないのではと思い、我慢される方もいるでしょう。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

この記事では薬剤師の筆者が、妊娠中の体の変化や薬を飲むことによる赤ちゃんへの影響、注意したい市販薬について解説します。

目次

妊娠中の体のこと

妊娠中、体調を崩しやすいと思ったことはありませんか?妊娠するとホルモンバランスが変化し、つわりや便秘といったさまざまな症状が現れることがあります

ほかにも、「風邪をひきやすくなった」「風邪がなかなか治らない」と感じる方も多いのではないでしょうか?

薬剤師ライター

斉藤めいさん

妊娠すると、お母さんの体が胎児を異物として認識しないよう、免疫機能を抑制します

そのため、免疫力が低下し風邪をひきやすかったり、なかなか治らなかったりする場合があります。[1]

薬が赤ちゃんにおよぼす影響

薬を飲むと、どうして赤ちゃんに影響するのでしょうか?

薬の種類によって赤ちゃんへの影響はさまざまです。また、妊娠週数によっても赤ちゃんへの影響は変わってきます。薬による影響は妊娠期間中一律ではありません。

そのため、使用する薬の性質と妊娠週数の両方を考慮することが大切です。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

ここでは薬が赤ちゃんに影響する理由や妊娠週数との関係について解説します。

薬が赤ちゃんに影響する理由

お母さんは胎盤を通して赤ちゃんに栄養や酸素を届けています。お母さんが飲んだ薬の成分も胎盤を通って赤ちゃんに届くことがあります

赤ちゃんの体は未熟で、体内に入った薬の成分を十分に排出することができません。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

また、尿として排出できたとしても、羊水を飲み込むことで再び赤ちゃんの体内へ戻ってしまいます。[2]

妊娠週数との関係

  • 妊娠3週まで
    この時期までの赤ちゃんへの薬の影響は、あったか、なかったかのどちらかに分かれる時期です。影響があった場合は流産となる可能性が高いと考えられています。胎児の生存が確認できれば薬の影響はなかったと言えるでしょう。[2]
  • 妊娠4週~7週
    赤ちゃんの臓器や、目や耳などの器官がつくられる大切な時期です。この時期は薬の影響を受けやすく、特定の薬を飲むことで赤ちゃんに奇形が生じてしまう可能性があります[2]
  • 妊娠8週~12週
    主要な器官の形成は終わっているため、大きな奇形を起こすことはありません。しかし、細かい箇所の器官形成は続いているため、小さな奇形が現れる可能性があります[2]
  • 妊娠13週以降
    器官の形成がほぼ終わり、人間らしい姿が確認できるようになります。薬により奇形は起こりませんが、赤ちゃんの成長や臓器の機能を妨げる薬に注意が必要です。[2]

妊娠中に注意すべき市販薬の成分

風邪をひいたときや頭痛がするときに市販薬を使用する方は多いのではないでしょうか。
妊娠していないときはとくに気にせず飲んでいた薬も、赤ちゃんに影響があるのではと飲むのをためらってしまうこともあると思います。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

本章では、風邪をひいたとき、発熱や頭痛がするときに選ぶ市販薬のうち、注意していただきたい薬の成分について解説します。

風邪

風邪をひいたときに飲む市販の薬といえば総合感冒薬を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。市販の総合感冒薬にはたくさんの成分が含まれているため妊娠中にはあまりおすすめできません[3]

総合感冒薬によく含まれているジヒドロコデインリン酸塩は、類似物質の動物試験で奇形が起こる場合があると報告されています。[4]市販の薬では服用を避けたい成分です。

とくに注意していただきたいのが、風邪のひきはじめに使われることが多い葛根湯です。漢方薬は比較的安心して服用できると感じる方も多いかもしれません。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

しかし、葛根湯には麻黄という成分が入っており、子宮収縮のリスクがあるため、妊娠中には推奨されません。[5]

発熱、頭痛

解熱鎮痛剤で注意が必要なのはロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる薬です。

胎児の動脈管を収縮させる可能性があるため、妊娠28週以降は禁忌となる薬です。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

28週以前でも、羊水過少を引き起こす可能性があるため、市販薬での使用は避けましょう。[6][7][8]

薬の相談窓口

妊娠中に体調不良があるときすぐに受診できればよいのですが、難しいこともあると思います。

体調を回復させるために、「妊娠前に使用していた手持ちの市販薬を使いたいけれど、赤ちゃんへの影響が心配で使ってよいのかわからない」と思うこともあるでしょう。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

そのようなとき、市販薬を妊娠中に使っても大丈夫なのか相談できる窓口を紹介します。

  • かかりつけ医(産婦人科)
    診察時間は過ぎていても、電話での相談は受け付けている場合もあります。体調が悪いときにはまず電話をしてみることをおすすめします。
  • 調剤薬局
    かかりつけの薬局があれば相談してみましょう。開局時間外でも電話相談に対応している場合があります。かかりつけの薬局でなくても相談は可能です。
  • 全国のくすり相談窓口
    平日の日中のみ電話での相談が可能です。PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)が行うものと、都道府県が行うものがあります。都道府県で行うものはそれぞれ対応時間が違うのでご注意ください。[9]

薬を飲む前にかかりつけ医、薬剤師に相談を

妊娠中の体調不良。薬を使わず体調の回復ができればそれがいちばんですが、そううまくいかないこともあるのが現実です。

薬剤師ライター

斉藤めいさん

まずはかかりつけ医を受診し、症状について相談してみてください。

どうしても受診が難しいときは、自己判断で市販薬を購入はせずかかりつけ医に電話で相談、または薬局やドラッグストアで薬剤師に相談しましょう。[10]

この記事の執筆者

薬剤師ライター:斉藤めいさん

私立薬科大学卒。製薬会社で品質管理業務を担当。その後大手調剤薬局で内科、皮膚科、整形外科、在宅医療などを経験。現在は0歳と2歳の2人の子育て中。薬局勤務をしながら医療ライターとして活動中。読者に伝わりやすい記事を執筆することを大切に活動しています。「第23回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。

斉藤さんも受講した、「医療ライターのはじめかた講座」とは?


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