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こどもの近視は治る?管理法や眼科選びのポイントをわかりやすくお伝え

去年までこどもの学校健診での視力検査は「A判定」だったのに、今年は再検査のプリントをもらった方へ。このまま、こどもの視力がどんどん落ちてしまうのではないかと心配ですよね。いつ、どの眼科を受診すべきかも悩むことでしょう。

近視が気になったら、眼科の受診は早いに越したことはありません。

医療ライター

小松 麻紀さん

「もっと早く治療をはじめていれば……」と後悔しないように、受診して話を聞いてみてください。

近視で眼科を受診したところで、眼鏡かコンタクトレンズを使用するだけだと思っていらっしゃる親御さんは多いかもしれません。しかし、他にもこどものためにできることがあります。

日々、近視のこどもを検査しているママ視能訓練士*が、近視の管理法や眼科選びのポイントをわかりやすくお話しします。

視能訓練士*:国家資格を持ち、眼科で検査などをする専門技術職。

目次

こどもの近視について

こどもの近視による問題点は、遠くが見えにくいことだけではありません。こどものときに強い近視になると、大人になってから眼の病気にかかるリスクが高くなります。こどもの健康な眼を将来まで守るために、近視が進みやすい成長期のうちから進行を管理するのが重要です。

ここからは、近視の仕組みや日常生活で気をつけることをお伝えします。

近視とは?

近視とは、以下の図のように眼の奥行きが長くなり、遠くを見たときにピントが合わず、ぼやけて見える状態です。

眼の奥行きが長くなるほどピントも大きくズレ、近視の度数は強くなります。近視用のレンズは、ピントを合わせることで鮮明に見える仕組みです。

医療ライター

小松 麻紀さん

一度長く伸びた眼の奥行きは戻せませんが、早めの対処により近視の進行する速さは抑えられます。

日常生活で気をつけることは?

日常生活で気をつけると良いことはいくつかあります。

まず、本や画面を見る場合は30cm以上離れて、30分ごとに20秒以上遠くを見ると良いと言われています。[1]こどもがスマートフォンやタブレットを使用するときは、30cmよりも近くで見ていることが多いでしょう。

ゲームや動画視聴をやめるのは現実的ではないと思います。そのため、テレビなどに接続して距離を確保したり、手持ちにせずに30cm以上離れて見たりするなど、長時間の使用時には注意が必要です。[1]

また、近視予防のために、1日2時間の屋外活動が推奨されています。[1]

医療ライター

小松 麻紀さん

屋外であれば木陰や建物の陰といった明るさでも良いとされており、日焼け対策を十分にしたうえで屋外活動を行ってください。[1]

近視の進行を抑制する方法4選

近視の進行抑制方法は、年々新しい選択肢が増えています。古い情報も含んだたくさんの選択肢の中から、ご自身ですべてを調べるのはとても大変ですよね。

近視管理を得意とする眼科では、検査結果に基づいて、こどもが選択可能な方法を提示してくれるでしょう。提示された治療法の中から、こどもの性格や生活をよくご存知の親御さんが選んであげるのが理想的です。

ここでは、例として4つの方法を紹介します。検査結果によっては選択できないものもあるためご注意ください。

1.目薬

目薬による近視の進行抑制方法として、低濃度アトロピン点眼薬の使用が挙げられます。低濃度アトロピン点眼薬は、以下のような特徴があります。

  • 1日1回、夜に点眼する。(アトロピン硫酸塩水和物の点眼液0.025%の場合)[2]
  • 目薬なので手軽にはじめやすい。

初期の近視であれば、目薬のみで手軽に近視の進行抑制治療をはじめられます。ただし、低濃度アトロピン点眼薬は、眼鏡やコンタクトレンズのようにピントを合わせる効果を期待する薬ではありません。近視が進行している場合は他の方法と併用することもあります。

2.近視管理用眼鏡

近視の進行をゆるやかにする方法には、レンズの設計が特殊な近視管理用眼鏡の使用があります。近視管理用眼鏡とは、単に視力を矯正する眼鏡と異なり、近視の進行抑制効果が期待できるもので、以下のような特徴が挙げられます。

  • 効果を得るためには終日装用するのが望ましい。
  • 目薬やコンタクトレンズが苦手なこどもも受け入れやすい。
  • アレルギーでコンタクトレンズが使えないこどもも使える。

レンズ周辺部がピントをずらすことで近視の進行をゆるやかにする設計となっているので、慣れるまで数週間かかる場合があります。

医療ライター

小松 麻紀さん

こどもの年齢や状況に応じて使用を検討すると良いでしょう。

3.オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは、寝るときに特殊な設計のハードコンタクトレンズを装用して、近視の進行を抑制する方法です。特殊なレンズをつけて寝ることで、一時的に角膜の形状を変え、朝起きてレンズを外しても日中は裸眼で遠くまで見えるようにもなります。

  • ある程度の睡眠時間が必要。
  • 軽い近視のこどもが適応となる場合が多い。

今までと同じように裸眼で日中過ごせるのが良い点です。親が夜にレンズをつけて朝には外せるので、小さなこどもも使いやすいでしょう。

4.多焦点ソフトコンタクトレンズ

近視進行抑制治療には、特殊な設計の多焦点ソフトコンタクトレンズを使用する方法があります。以下のような特徴のあるレンズです。

  • 1日使い捨てのソフトコンタクトレンズ。
  • 強い近視の方でも使用を検討できる。

日中に使用するため、こども自身でレンズの着脱ができる年齢になったら使用できます。1日使い捨てでレンズケアがいらないので、忙しいご家庭でも受け入れやすいでしょう。睡眠時間が矯正効果に影響しないので、勉強などで忙しくて睡眠時間が一定でない10代のこどもにもおすすめです。

眼科選びで確認したい3つのポイント

近視進行抑制の方法は生活に合わせて変更できますが、成長期が終わり近視の進行が安定するまで続けるのが望ましいとされています。[3]無理なく続けるために、こどもの成長に寄り添ってくれて、長く通えそうな眼科を探しましょう。

眼科で働く筆者がおすすめする、眼科選びの際に確認したい3つのポイントをお伝えします。ぜひ参考にしてください。

1.無理なく通える距離か

まずは無理なく通える範囲で眼科を探しましょう。治療をはじめた後は症状が安定していても、3〜6か月間隔での受診が推奨されています。[3]無理なく通えそうな場所や診察時間の眼科を選ぶことがポイントです。

2.近視進行抑制治療の選択肢があるか

すべての眼科で近視進行抑制治療ができるわけではないため、治療の選択肢があるかを確認しましょう。「近視進行抑制治療はしていない眼科でした」もしくは「目薬の処方しかしていない眼科でした」という話を聞くこともあります。

医療ライター

小松 麻紀さん

眼科のWebサイトなどで、近視進行抑制治療の選択肢があるかを確認してからの予約がおすすめです。

3.近視管理に適した検査機器があるか

近視管理に適した検査機器があるかを確認しましょう。近視進行抑制治療を得意とする多くの眼科には、眼軸長を測る検査機器があります。眼軸長とは、眼の奥行きを示す長さのことです。近視の管理では近視の度数だけでなく、この眼軸長の管理が大切です。

Webサイトなどで、検査機器についても確認してみてください。

こどもの近視は早めに眼科を受診しよう

一度伸びた眼の奥行きは、現在のところ元には戻せません。

医療ライター

小松 麻紀さん

将来の眼の健康を守るために、眼の奥行きが伸びやすいこどものうちから近視管理をはじめましょう。

まずはこどもの成長期に寄り添ってくれる眼科を受診して、現状と治療の選択肢を知るのがおすすめです。さまざまな選択肢から、親子で無理なく継続できる方法を選びましょう。

この記事の執筆者

医療ライター:小松 麻紀さん

視能訓練士歴20年。子育て歴10年。現在、小児と斜視専門の眼科勤務。眼科の情報をわかりやすく発信し、受診へつなぐことを使命に医療ライターを始める。眼科勤務と学会参加で常にアップデートしている知識をいかして執筆。子育て経験より、子どもの見え方に不安を持つ保護者の気持ちにも寄り添います。趣味はボルダリング、美術鑑賞。「第25回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。

小松さんも受講した「医療ライターのはじめかた」講座はこちら

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