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手術前のサプリメントはいつから中止?注意したい成分を元病院薬剤師が解説

「手術前のサプリメントは、いつから中止すればいいの?」
「具体的にどんな成分に注意すればいいの?」

手術前のサプリメント摂取について、どうすべきか迷っていませんか?

「サプリメントは薬ではないため手術には問題ない」と、普段通りの摂取を続けてしまう方もいるでしょう。実は、一部のサプリメントは手術に影響する可能性があり、事前の確認や調整が必要です。

薬剤師ライター

小芝ユウさん

緊急手術で事前にサプリメントを中止できない場合も、適切な情報共有があれば手術中の不測の事態にも対処しやすくなります。

本記事では、手術室や整形外科病棟での専任経験を持つ元病院薬剤師の筆者が、手術前に注意したいサプリメントについて解説します。

目次

手術前にサプリメントの確認が必要な理由

一部のサプリメントには、血液の固まり方や薬の効き方に影響する成分が含まれています。[1]安全に手術を受けるため、医師や看護師、薬剤師は手術前にサプリメントの摂取状況を確認し、必要に応じて中止を案内するケースも少なくありません。

一方で、サプリメントを中止すると「健康を維持できなくなるかもしれない」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、入院中は栄養量が細かく設定された食事や、個々にあわせたリハビリも提供されるため、心配し過ぎる必要はありません。

栄養素の必要量には個人差があり、自己判断で続けると過剰摂取につながるおそれがあります。[2]

薬剤師ライター

小芝ユウさん

再開のタイミングも含め、医師や薬剤師に相談しましょう。[2]

サプリメントの中止は「安全に手術するための前向きな一歩」と捉えましょう。

手術前のサプリメントはいつから中止する?

日本国内において、手術前のサプリメント中止期間は明確に決まっていません。[3]医療機関によって推奨される中止期間は異なるため、あらかじめ手術を受ける病院に確認しましょう。

また、局所麻酔*を使用する手術では、処方薬やサプリメントを中止しない場合があります。手術の種類によって判断が分かれるため、あわせて医師へ確認しましょう。

局所麻酔*:患者の意識を保ったまま、特定の部位に薬を効かせる麻酔法。

手術前に注意したい含有成分

「普段飲んでいるサプリメントは手術に影響するのかな」「注意が必要な成分を摂取してしまわないかな」と不安になるかもしれません。

サプリメント全般が手術に影響するわけではなく、特定の成分を含むものが該当します。また、サプリメントだけでなく市販薬にも注意が必要です。

本章では、手術前に注意したい具体的な成分名と、身体への影響について解説します。

出血リスクに関係する成分

EPA・DHAサプリメントには、血液の固まり方に影響する薬と相互作用を起こす可能性があります。特に、抗凝固作用*のある薬や一部の痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)などを使用している場合は、サプリメントとの併用に注意が必要です。[1]

そのほか、ウコンの成分であるクルクミンには、血小板が集まる働きを抑える作用が報告されています。[4]

薬剤師ライター

小芝ユウさん

抗凝固作用のある薬や抗血小板作用のある薬との併用で、出血リスクが高まる可能性もあります。[4]

抗凝固作用*:血液が固まるのを防ぐ作用。

麻酔薬の効果に作用する成分

気分が落ち込んだときに摂取する成分の一つに、セントジョーンズワートがあります。

セントジョーンズワートは、生体内の薬物代謝酵素*であるCYP(シトクロム)3A4の働きを活発にすることが知られています。[5]CYP3A4は医薬品の代謝に幅広く関わる酵素で、手術で使用する薬も例外ではありません。

セントジョーンズワートが体内に残ったまま手術を受けると、麻酔薬などの効果を十分に得られない可能性があります。

薬物代謝酵素*:体内に取り込んだ薬物を、体外へ排出しやすい形へ分解する酵素のこと。

血糖値に影響する可能性がある成分

サプリメントや栄養ドリンクに含まれる朝鮮人参は、血糖低下作用を示す可能性が報告されています。[6]

薬剤師ライター

小芝ユウさん

健康食品に含まれる成分にも注意し、不安があれば主治医に相談しましょう。

血圧・心拍数に関係するかぜ薬の成分

一部の市販のかぜ薬や漢方薬には、エフェドラ(麻黄)という生薬が含まれています。エフェドラの主要成分であるエフェドリンには、心拍数増加や血圧上昇をもたらす作用があり、手術中の全身管理に影響する可能性があります。[7]

受診時に伝えたいサプリメント情報

医療機関によっては、手術を控える患者へ「サプリメントや健康食品は一律中止」を案内しています。[8]摂取中のサプリメントを詳細に確認する場合もあり「何を伝えたらいいだろう?」と迷うかもしれません。

サプリメントの情報は医療機関でも調べられるため、商品名さえわかれば問題ない場合がほとんどです。また、サプリメントの「効果」や「成分名」を伝えられると、より正確な情報共有が可能になります。

本章では、受診時に伝えたい情報と具体的な相談方法について解説します。

商品名や成分を整理する

日常的に服用しているサプリメントの成分表を確認しましょう。成分表は、サプリメントのパッケージやラベルに記載されています。

薬剤師ライター

小芝ユウさん

パッケージやラベルを捨ててしまった場合は、購入した店舗へ確認したり、インターネットで検索したりして情報を収集しておきます。

成分表記載のパッケージや写真を持参する

医療機関を受診する際は、成分名を記載したメモやパッケージを持参しましょう。

スマホをお持ちの方は、サプリメントのパッケージの写真を保存しておくと、緊急時の受診でも情報共有をスムーズにおこなえます。

追加や変更があった場合は相談する

手術前は、事前に伝えていないサプリメントの摂取を避けましょう。もし「伝え忘れたサプリメントがある」「誤った情報を伝えてしまった」場合は、速やかに医療機関へ相談してください。

薬剤師ライター

小芝ユウさん

なお「サプリメントや健康食品はすべて中止」と具体的な指示を受けていない場合でも、自己判断せず確認しておくと安心です。

手術予定の医療機関へ必ず伝えよう

本記事では手術前に気をつけたいサプリメントを中心に解説しました。

薬剤師ライター

小芝ユウさん

市販薬についても、成分や効果など同様の注意が必要です。体調不良の際に使用する市販薬もあらかじめ共有しておくと、安心して手術日まで過ごせます。

手術には「無事に成功するのかな」「問題なく退院できるのかな」といった不安がつきものです。不安や疑問があれば医療機関のスタッフに相談し、なるべく気持ちを楽にして手術に臨みましょう。

この記事の執筆者

薬剤師ライター:小芝ユウさん

薬剤師。ケアミックス病院で5年間勤務し、内科・整形外科病棟での服薬指導をはじめ幅広く業務を経験。現在は、派遣薬剤師として医療現場に従事している。栄養サポートチーム専門療法士の資格を保有。「第4回Medi+医療系取材ライターのはじめかた講座」「第25回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。

小芝さんも受講した「医療ライターのはじめかた」講座はこちら

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