健康診断の結果を見て、今まで気にしていなかったLDLコレステロールの値が高く驚いている40~50代の女性もいるのではないでしょうか。
LDLコレステロールが高くなる原因として、食べすぎや肥満をイメージする方もいるかもしれません。
しかし、食生活に大きな変化がないにもかかわらず、加齢により値の変化が起きることもあります。なぜLDLコレステロールが上がるのか、健康診断での数値が高い場合はどうしたら良いのか不安になりますよね。
本記事では、薬剤師の資格を持つ筆者が、LDLコレステロール値が高くなる原因について解説します。
薬剤師ライター山田 みのりさん
またLDLコレステロール値が高いまま放置するリスクや、日常生活での対処法についても紹介しますので参考にしてください。
LDLコレステロールの基礎知識


健康診断でLDLコレステロールの数値を指摘され、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
ここではLDLコレステロールの基本的な役割や基準値、高値が続くことで生じるリスクについて解説します。
また、女性は更年期以降にLDLコレステロールが上昇しやすくなるため、その理由についても確認していきましょう。
LDLコレステロールとは
LDLコレステロールは肝臓のコレステロールを体全体に運ぶ役割を持ち、その役割から悪玉コレステロールと呼ばれることもあります。[1]
LDLコレステロールの基準値
LDLコレステロールの診断基準は以下のとおりです。[2]
| 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
| 120~139mg/dL | 境界型高LDLコレステロール血症 |
LDLコレステロールの目標値は、健康状態やほかの病気の有無などによって異なります。



山田 みのりさん
健診などでLDLコレステロールが高いと指摘された場合は、数値だけで判断せず、医療機関で相談してみましょう。
高LDLコレステロールで起こりうる病気
LDLコレステロールの役割は、肝臓のコレステロールを体全体に運ぶことです。
LDLコレステロール値が高い状態を放置すると、コレステロールが血管を通る際に、血管の壁にたまりやすくなります。[3]
女性のLDLコレステロールが上がりやすい理由
女性のLDLコレステロールが上がりやすい理由とは一体どのようなものでしょうか?
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは血中LDLコレステロールを減少させると言われています。[5]
エストロゲンには脂質代謝に関わる働きがあり、閉経にともなってエストロゲンが減少すると、LDLコレステロールなどの血中脂質の値が変化します。



山田 みのりさん
閉経移行期にはLDLコレステロールが上昇することが報告されているため、女性はLDLコレステロールが上がりやすいといえるでしょう。[6]
LDLコレステロール値の改善方法


更年期以降の女性がLDLコレステロールの値を改善するには、普段の生活を見直す必要があるかもしれません。
ここでは、食事や運動、生活習慣の項目ごとに、それぞれの改善すべきポイントを紹介します。LDLコレステロールを減らすためにできることを、自分にとって取り入れやすいものから少しずつ実践していきましょう。
食事による改善方法
食事によるポイントは5つあります。
- 脂質の摂り過ぎに注意する
まずは、適正なエネルギー量を摂りながら、脂質の摂り過ぎを控えましょう。
炭水化物からのエネルギー摂取割合を50~60%、脂肪からのエネルギー摂取割合を20~25%にするのが目安とされています。[2] - 飽和脂肪酸の摂取量を減らす
飽和脂肪酸は、肉や乳製品、植物油などに多く含まれます。[7]
飽和脂肪酸の摂り過ぎはLDLコレステロールの上昇につながります。脂身の多い肉を食べるときは赤身の多い部位を選び、バターや生クリームを使った料理や菓子類を摂りすぎないようにするなど、工夫をしましょう。
また、飽和脂肪酸を減らすだけでなく、魚や植物性食品に含まれる不飽和脂肪酸などに置き換えることもポイントです。たとえば、肉料理の一部を魚料理や大豆製品に置き換える方法があります。[8] - トランス脂肪酸を摂り過ぎない
トランス脂肪酸はハードマーガリンやショートニング、それらを使った揚げ物や菓子に含まれることがあります。また、サラダ油などの植物油にも注意が必要です。[2]
トランス脂肪酸はLDLコレステロールを上昇させる作用があるため、脂質の多い菓子類などを頻繁に食べる場合は、摂り過ぎに注意しましょう。 - 食物繊維を意識して摂る
食物繊維には、コレステロールの吸収を抑える働きが期待されます。食物繊維は野菜、穀物、海藻、大豆、きのこ、果物などに含まれます。
主食を白米だけでなく玄米や雑穀入りごはんにする、野菜やきのこ、海藻を使った料理を取り入れるなど、毎日の食事で意識して摂りましょう。
食物繊維は1日25g以上摂取することが推奨されています。[2] - コレステロールの摂取量を減らす
コレステロールを多く含む食品は飽和脂肪酸を含むことも多いと言われています。
コレステロールを含む食品は摂りすぎないように注意しましょう。
運動による改善方法
運動は何をどのくらいすると良いのでしょうか?
LDLコレステロール値を改善するためには、ウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめです。1日合計30分以上の運動を週3回以上、できれば毎日行うことが推奨されています。または、ジョギングやテニスなどの中強度以上の運動を週に150分以上行う方法もあります。[2]



山田 みのりさん
運動は一度にまとめて行う必要はなく、日常生活の中でこまめに体を動かすことも大切です。
また、筋力トレーニングなどの運動も、LDLコレステロール値の改善に役立つことが報告されています。有酸素運動と組み合わせて取り入れるのもよいでしょう。[2]
重度の高血圧や糖尿病などの疾患を持っている方は、運動は禁忌となる場合もあります。
あらかじめ主治医に相談してから行うようにしましょう。[2]
生活習慣による改善方法
タバコを吸っている人は、吸っていない人に比べてLDLコレステロールが高くなる傾向があるため注意が必要です。
また、1日の本数が多いほどLDLコレステロールが上がりやすくなると言われています。現在タバコを吸っている方は、禁煙を検討してみましょう。[2]
LDLコレステロールを減らす薬について


食事や運動などの生活習慣を見直してもLDLコレステロールが下がらない場合や、動脈硬化性疾患のリスクが高い場合には薬物治療を検討することがあります。[2]
LDLコレステロールを下げる薬にはいくつかの種類があり、代表的なものがスタチン系という種類の薬です。必要に応じて、別の種類の薬に変更または併用することもあります。[2]
薬を使用する場合は、定期的に血液検査をしたり、LDLコレステロールの値や副作用などを確認したりしながら治療を続ける必要があります。



山田 みのりさん
健診などでLDLコレステロールが高いと指摘された場合は、自己判断せず医療機関に相談しましょう。[2]
LDLコレステロールの増加を防ごう


閉経後の女性は、今まで数値に変化がなかった方も、LDLコレステロールが増加してしまう可能性があります。
食事や運動、生活習慣を見直し、この記事で紹介した内容を参考にしていただけると幸いです。



山田 みのりさん
わからないことや不安があれば自分一人で抱えずに、医療機関で相談することも大切です。
ぜひ、できることからはじめてみましょう。


薬剤師ライター:山田 みのりさん
薬剤師。急性期医療を担う病院にて呼吸器内科・整形外科病棟などの病棟業務、調剤薬局では小児科門前での調剤業務を経験。現在は子育てをしながら医療ライターとして、読者の不安や疑問に寄り添い、安心して読める分かりやすい記事を心がけています。 「第25回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。
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