「乳がん検診は受けた方がいいのだろうか」「マンモグラフィは痛いし、できれば受けたくない」と思ったことはありませんか。
筆者も以前は同じように考えていました。しかし、実際に乳がんと診断され、「まさか自分が」と大きな衝撃を受けました。
乳がんは誰にでも起こりうる病気です。早期発見ができれば、治療の選択肢が広がり、その後の経過にも良い影響が期待できます。
薬剤師ライター柏木 みちさん
この記事では、薬剤師の筆者が自身の体験を交えながら、乳がん検診の種類ややり方、受ける頻度について解説します。
不安を抱えている方が、乳がん検診を受けるきっかけになれば幸いです。
乳がんとはどのような病気?


女性が生涯でかかるがんの中で最も多いのが乳がんです。30代ころから増加しはじめ、40代後半で発症のピークを迎えます。そのため、仕事や家事、育児で忙しい世代にとっても身近な病気です。[1]
乳房の中には、母乳を作る乳腺組織があり、母乳を作る小葉と母乳を乳頭まで運ぶ乳管に分かれます。乳がんの多くは、これらの乳管や小葉に発生します。[2]
乳がんの初期には、自覚症状がないことも少なくありません。



柏木 みちさん
筆者も胸のしこりや痛みなどの異変を感じることはありませんでしたが、毎年受診していた検診で乳がんと診断されました。
このように、乳がんは自覚症状がなくても見つかることがあり、誰にでも起こりうる病気といえます。
乳がん検診を受けた方が良い理由


乳がんは初期の段階では自覚症状が現れにくく、自分では異変に気付きにくい病気です。症状が出てからでは、がんが進行していることも少なくありません。
乳がんは早期に発見できるほど、治療の選択肢が広がるとされています。がんの進行状況によっては乳房を温存できる可能性が高まるほか、身体への負担を抑えた治療を選択できる場合もあります。
また、近年は保険適用で受けられる乳房再建術の選択肢が増えてきました。そのため、乳房を切除する場合でも、自分に合った再建方法を選択できる可能性があります。[3]
さらに、ステージⅠ期で発見された場合の5年相対生存率は90%以上とされており、早期発見・早期治療の重要性が示されています。[4]



柏木 みちさん
定期的に乳がん検診を受けて自分の健康状態を確認することは、安心して日々を過ごすことにもつながるでしょう。
乳がん検診の種類とやり方


乳がん検診の代表的な検査は、マンモグラフィ検査と超音波検査(エコー)です。それぞれ特徴が異なり、年齢や乳房の状態に応じて適した検査が行われます。
ここでは、マンモグラフィ検査と超音波検査の方法や特徴について解説します。



柏木 みちさん
検査方法や特徴を事前に知っておくと不安が和らぎ、受診しやすくなるでしょう。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィは、乳房をX線で撮影します。乳房をできるだけ引き出し、圧迫した状態で撮影することで、小さなしこりや石灰化の有無を確認する検査です。早期乳がんの発見に役立つ検査で、死亡率を減少させる効果が示されています。そのため、厚生労働省は40歳以上の女性に対してマンモグラフィ検診を推奨しています。[4]
撮影時には痛みや不快感を覚えることがありますが、検査時間は数分程度です。自治体が実施する乳がん検診でも広く採用されています。一方で、マンモグラフィは高濃度乳腺*の方の場合に異常を見つけにくいことがあり、注意が必要です。
超音波検査
超音波検査は、超音波を利用して乳房内部の状態を観察する検査です。検査時の痛みが少なく、放射線による被ばくがないのが特徴です。[6]
マンモグラフィ検査と異なり、現時点では乳がんによる死亡率を低下させる効果は示されていません。[5]一方で、高濃度乳腺でも病変を見つけられる場合があるため、マンモグラフィと組み合わせて実施されることがあります。



柏木 みちさん
筆者は高濃度乳腺だったため、マンモグラフィに加えて超音波検査を受けました。その結果、病変が見つかりました。
検査ごとに特徴が異なるため、医師に相談のうえ、自分の年齢や乳房の状態に合った検査を受けましょう。
乳がん検診を受診する頻度


厚生労働省は40歳以上の女性に対して、2年に1回のマンモグラフィによる乳がん検診を推奨しています。[4]自治体から案内が届いた際は、積極的に活用しましょう。また、勤務先の健康診断や人間ドックで乳がん検診を受けられる場合もあります。自治体の検診だけでなく、勤務先の制度についても確認してみてください。



柏木 みちさん
筆者は勤務先の健診制度を利用し、20代から毎年超音波検査を受けていました。実際に乳がんが見つかったのも定期検診がきっかけです。
検診によって早期に異常を発見でき、治療につなげられました。
家族に乳がん患者がいる場合や、乳房に気になる症状がある場合は、検診の時期を待たずに医療機関へ相談することをおすすめします。また、検診とあわせて日頃から乳房の状態をセルフチェックすることも重要です。しこりや皮膚の変化、乳頭からの分泌物などに気付いた場合は、早めに受診しましょう。
定期的な乳がん検診で未来を守ろう


乳がんは、日本人女性にとって身近ながんです。初期には自覚症状が現れないことも多いため、早期発見につながる定期的な検診が大切です。自治体や勤務先の健診制度を活用し、自分の年齢や乳房の状態に合った検査を継続して受けましょう。



柏木 みちさん
筆者自身、定期的に乳がん検診を受けていたことで、乳がんを早期に発見できました。
今、こうして家族と何気ない毎日を過ごせているのは、検診を受けていたからこそだと感じています。不安から検診をためらっている方もいるかもしれません。
未来の自分や大切な家族のために、乳がん検診を受ける一歩を踏み出してみてください。


薬剤師ライター:柏木 みちさん
東北医科薬科大学卒業。製薬会社でMRとして医療従事者への情報提供に従事。自身の乳がん罹患をきっかけに、患者目線を大切にした医療・健康分野の執筆を開始。 「正しい情報を、読者に分かりやすく届けること」を大切に、専門性と実体験を両立した執筆活動をしています。 「第24回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。
note:https://note.com/rich_hare115
柏木さんも受講した、「医療ライターのはじめかた講座」とは?









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