「初めての手術が不安」「手術室ってどんなところなんだろう」と感じている方は、決して少なくありません。実際に手術室へ入るときに「ドラマでしか見たことなくて、少し緊張します」と話される方もいらっしゃいます。
手術室は普段入らない場所のため、どのようなところか想像できず、不安ばかりが大きくなってしまいますよね。
看護師ライター阿部 しおりさん
この記事では、手術室の看護師である筆者が、手術の流れや手術室の様子をお伝えし、気になる疑問にもお答えします。
読み終わるころには、手術室が少しでも身近に感じられ、不安が和らいでいれば幸いです。手術室でも、あなたは決して一人ではありません。
初めての手術が不安なのは当然


病院で手術の説明を聞いたとき、漠然とした不安や怖さを感じませんでしたか?それは決してあなたが弱いからではありません。初めての手術に不安を感じるのは自然な反応です。
手術室という知らない場所で、何が行われるのかわからないまま手術が進むのは、誰でも心細く感じるでしょう。
この後ご紹介する手術の流れを知ることで当日の様子がわかり、不安を和らげる手助けになれば幸いです。手術の流れを一つずつ確認しながら不安を減らしましょう。
手術の流れ|入室から目覚めるまで


手術当日は、病棟から手術室へ移動し、麻酔を受けて手術が始まります。終了後は徐々に目を覚まして病室へ戻るという流れです。
初めて手術を受ける方は、「どこで何をするのか」「どのタイミングで眠るのか」など、わからないことが多く不安を感じやすいですよね。あらかじめ、手術当日のおおまかな流れを知っておくと見通しが立てられ、気持ちが落ち着くでしょう。



阿部 しおりさん
ここからは一例として、手術室に入ってから目を覚ますまでの流れを順に紹介します。
手術室に入るとまず本人確認を行う
手術当日は、病棟で手術着に着替えた後、看護師と一緒に手術室へ向かいます。手術着は薄手のため、移動中に寒さを感じることがあるかもしれません。気になる方は、羽織れる物があると安心です。
手術室に入ると、手術を安全に行うための本人確認や、最終的な準備が行われます。このタイミングで、身につけている物の確認などをされる場合もあります。
おもな確認内容は、次のとおりです。
- フルネーム
- 生年月日
- 手術する部位(左右がある場合は左右も)
これらの確認は、患者さんを間違えないために行われる大切な工程です。
麻酔で眠りに落ちる
本人確認が終わると、麻酔の準備が始まります。手術室のベッドへ仰向けになり、体の状態を確認するために次のような機器を装着されます。
| 装着される機器 | 装着する部位 | 機器の説明 |
| パルスオキシメーター | 指先 | 血液中の酸素状態を測る機器 |
| 心電図のシール | 胸 | 心臓の動きやリズムを調べる機器 |
| 血圧計 | 腕 | 心臓から送られる血液の圧力を測る機器 |
機器を装着された後は、口元に酸素マスクを当てられます。案内に従ってゆっくり呼吸しましょう。体に十分な酸素が取り込めたことを確認し、点滴から麻酔が注入されます。徐々に意識が遠くなるような感覚となり、自然に眠りへ入るでしょう。



阿部 しおりさん
麻酔を注入している間は常に、医師や看護師がそばで体の状態を確認しています。
眠っている間に手術が始まる
麻酔が十分に効いたことを確認すると、手術が始まります。手術中は患者さんの体に負担がかからないよう、次のように全身の状態を継続して確認しながら進められます。
- 心拍や呼吸など、体の状態が問題ないか
- 体に負担がかからない姿勢を保っているか
- 体温が下がっていないか



阿部 しおりさん
手術を安全に進めるため、上記のように、異変があればすぐに対応できる体制が整えられています。
手術後、麻酔から少しずつ目を覚ます
手術が終わると、麻酔から少しずつ目を覚まします。名前を呼ばれながら意識が戻り、ぼんやりとした感覚を覚えるかもしれません。
目が覚めた直後も、医師や看護師がそばで体の状態を確認しているでしょう。呼吸や全身の状態が安定すると、病室へ戻る準備が行われます。



阿部 しおりさん
移動や着替えは医療スタッフがサポートするため、体の力を抜いて楽に過ごしてください。
不安を和らげる初めての手術Q&A


初めての手術では「些細な不安でも伝えていいのか」「麻酔できちんと眠れるのか」「痛みはあるのか」など、さまざまな疑問や不安が浮かびやすいものです。これらの不安は、正しい情報を知ることで減らせるかもしれません。
ここからは、手術を受ける前によくある質問をまとめています。少しでも不安を減らして、手術に臨みましょう。
手術に関する不安は伝えても大丈夫?
手術や麻酔について、不安に思うことや気になることがあれば、遠慮せずに医師や看護師に伝えてください。「こんなこと聞いていいのかな?」と思う内容でも問題ありません。



阿部 しおりさん
不安や緊張が強い場合は、できるだけ安心して手術を受けられるよう、配慮してくれるでしょう。
麻酔で眠れないことはある?
多くの場合、点滴から麻酔を入れると、すぐに眠りに落ちます。手術後に「いつの間にか眠っていた」「少し夢を見ていた気がする」と話される患者さんも多くいらっしゃいます。



阿部 しおりさん
眠る直前に「眠れないのでは」と不安を感じる方もいますが、筆者の経験では、声をかけているうちに自然に眠っているケースが多い印象です。
目が覚めたときに痛みはある?
手術中から痛み止めを使用しますが、目が覚めた後に痛みを感じることがあります。痛む場合は、我慢せずに必ず医師や看護師に伝えてください。



阿部 しおりさん
痛みの程度を確認するため「0〜10の数字で言うとどれくらいですか?」といった表現で聞かれることもあります。
痛みの程度に応じて、追加の痛み止めなどが検討されるでしょう。
手術の不安は一人で抱えず相談しよう


この記事では、手術室へ入ってから目覚めるまでの流れをご紹介し、よくある質問についてお答えしました。手術室でどのようなことが行われるのか、少し想像していただけたのではないでしょうか。
手術は人生の中でも大きな出来事ですよね。できる限りの準備をして臨んでも、不安が完全になくなるわけではないでしょう。ただ、小さな不安でも言葉にし、手術のおおまかな流れを知って疑問が解消されると、気持ちが楽になることもあると思います。
手術は、決して一人で受けるものではありません。



阿部 しおりさん
医師や看護師、麻酔科医など多くの医療スタッフがそばにいて、患者さんの安全と安心を第一に考えながら行います。
初めての手術で不安な気持ちは、一人で抱えずに相談して乗り越えましょう。


看護師ライター:阿部 しおりさん
私立大学の看護学科を卒業し、看護師経験7年の医療ライターです。手術や手術看護、看護師のメンタルヘルスや転職のことを、読者の不安や迷いにそっと寄り添いながら伝えています。優しさを感じる記事作りを大事にしています。「第22回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。
阿部さんも受講された、「医療ライターのはじめかた講座」とは?









コメント