「ペットの命を助けてくれた」「動物が好き」という思いから、獣医師になりたいと思っている人もいるでしょう。
実際、動物病院で働く獣医師には、頼りになる人が多いイメージがありますよね。ただ、動物に興味はあるけれど、獣医師は大変そう、将来やっていけるのかと不安を感じる人も少なくありません。
Webライター河野 かよさん
今回の記事では、獣医師の資格を持つ筆者が、獣医師のなり方や気になる卒業後の進路、年収、向いている人、さまざまな仕事内容について紹介します。
獣医師に興味がある方は、ぜひ最後まで記事を読んで参考にしてください。
【全国に約4万人】獣医師とは


獣医師とは、どのような人を指すのでしょうか。農林水産省「令和4年度獣医師の届出状況」によると、2022年12月時点において、全国には約4万人の獣医師がいるとされています。[1]
獣医師は「動物のお医者さん」のイメージが強いですが、実はさまざまな働き方があります。



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ここでは、獣医師のおもな仕事内容や年収などの基本的な情報を見ていきましょう。
おもな仕事内容
獣医師は一言であらわすと、次のような仕事です。
「牛、馬、豚、鶏、犬、猫などの動物の健康や生命を守る仕事及び人の健康に関する仕事に従事する」
出典:職業情報提供サイト(job tag)>獣医師[1]



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動物を診察するほかに食肉の安全に関わる業務や、動物から人への感染症を予防する業務など、動物だけではなく人に関する仕事も行っています。
年収
獣医師の2024年における平均年収は約885万円とされています。[1]
国民全体の所得の分布状況によると、同じく2024年における平均所得金額は536万円のため、獣医師の年収は高いと言えるでしょう。[2]
ですが、獣医師の仕事内容はさまざまであるため、年収にも幅があると考えられます。



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とくに、女性はライフステージの変化によっても年収が大きく変動する可能性があります。
労働時間
労働時間も仕事内容によって変わるでしょう。とくに臨床に携わる獣医師は長時間拘束が多い印象です。
厚生労働省のページにも、臨床に携わる獣医師について、以下の記載があります。
「小動物でも産業動物でも、診療業務に従事する臨床獣医師は、命ある動物を対象としているため、昼夜、休日を問わず、飼い主の要望に応えなければならない場合が多い」
出典:職業情報提供サイト(job tag)>獣医師[1]



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体力が必要ではありますが、その分やりがいのある仕事とも言えます。
獣医師になるために


実際に獣医師になるためにはどうすれば良いのでしょうか?
医師になるためには医学部に、歯科医師になるためには歯学部や歯科大学に行くように、獣医師になるためには獣医学科に行く必要があります。まずは獣医学科のある大学への入学を目指しましょう。



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ここでは大学へ入学したあと、獣医師になるための具体的な方法とその学費について見ていきましょう。
獣医学科を卒業しよう
獣医師になるためには、まず獣医学科のある大学で専門科目を履修し、獣医師国家試験を受験します。試験に合格し、免許の交付と獣医師名簿の登録が完了すれば、獣医師となります。[1]
獣医学科卒業までの費用はどのくらい?
獣医学科を卒業するための費用を考えてみましょう。
まず初年度の学費は、国立大学である東京大学の場合は入学金が約28万円、1年間の授業料が約65万円です。[3]獣医学科は6年制であるため、単純計算で授業料を6倍すると約390万円となります。
私立大学の場合は学費がさらにかかります。



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また、教科書代などの雑費や、地元を離れて下宿する場合には生活費も必要です。
獣医師に向いているのはどんな人?


獣医師に向いている人の特徴として、以下が挙げられます。
- 動物が好き
- 責任感がある
- 体力がある



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まず、動物が苦手という人は続けにくいでしょう。
「ある動物だけが苦手」という人は、動物種にもよりますが、卒業後の進路選びである程度は避けられます。在学中に避けることは難しくても、たとえば、猫専門の動物病院を就職先に選べば、基本的には相手となる動物は猫のみです。
また、動物の命と向き合うことになるため、一つひとつの行動には責任が伴います。
拘束時間が長い傾向から、体力も必要になるでしょう。
獣医師の多様な働き方


ここでは、獣医師のさまざまな働き方について項目ごとに見ていきましょう。働き方によって、対象となる動物や働く場所などに特徴があります。
とくに、臨床獣医師の場合は、獣医師国家試験に合格したからといって、卒業後すぐに獣医師として独り立ちや開業ができるわけではありません。



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それぞれの職場で経験を積んでいく必要があるでしょう。[1]
小動物を対象とする獣医師
おもに犬や猫などの小動物を扱う動物病院で働く獣医師のことです。臨床の現場であるため拘束時間が長い傾向にあります。[1]
動物病院で働く場合、一般的には動物病院や大学病院で研修医を経験した後に独り立ちします。[1]
産業動物を対象とする獣医師
牛や豚などの家畜を対象とした獣医師です。臨床獣医師のため、拘束時間が長い傾向にあります。
産業動物を対象とした獣医師は、農業共済団体の家畜診療所などで経験を積んでいくのが一般的です。[1]
また、基本的には農家など動物がいる場所に往診に向かいます。



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長距離を往診し、体重400kgを超える牛などを相手にすることもあるため、より体力が必要な仕事です。[1]
一般企業で働く獣医師
臨床獣医師以外にも、製薬会社や食品会社で働く獣医師もいます。医薬品の開発や実験動物を用いた各種試験など、研究分野での活躍が期待できます。[1]



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具体的な就業内容や待遇、給与体系は会社によって異なるため、興味がある人は調べてみてください。
公務員として働く獣医師
公務員として行政に携わる獣医師もいます。獣医師国家試験と自治体の公務員試験に合格する必要があり、食肉衛生検査所や動物検疫所などに配属されます。
食品の安全性を確保するための監視や指導、人獣(じんじゅう)共通感染症*の予防や検疫業務などを行いますが、就業内容や待遇は自治体で異なるでしょう。[1]



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とくに女性は、ライフステージの変化や体力面を考慮した結果、公務員獣医師を選択する人が多い印象です。
そのほかの専門職
これまで紹介した働き方以外にも、獣医師が活躍できる職場を4つ紹介します。
- 動物園や水族館
- 愛玩動物看護師*の専門学校講師
- 獣医療業界における営業職
- 獣医師や愛玩動物看護師向け転職支援
動物園や水族館でも、人数は少ないですが獣医師が活躍しています。
ほかにも、愛玩動物看護師の専門学校の講師や、動物病院を対象とした医療機器などの営業職、獣医療業界における転職支援などでも、獣医師としての経験を必要とされることがあります。
獣医師の働き方の選択肢はさまざま


獣医師の仕事について、少しでもイメージできましたか?「動物のお医者さん」の印象が強いかもしれませんが、獣医師は働く場所によって、仕事内容や年収、待遇もさまざまです。
責任感の伴う専門性の高い道となりますが、国家資格であるため、安定した職業であると言えるでしょう。
まずは獣医師になるために、自分の状況に合った大学を探してみるところからはじめてみてください。


Webライター:河野 かよさん
酪農学園大学卒。公務員獣医師として勤務したのち、愛玩動物看護師専門学校にて非常勤講師を勤める。傍らで接客・営業職にも携わり、専門外の見聞を広げる。結婚を機に退職し、現在は動物の検体検査業務と家業をしながらライター活動を行っている。「専門外の読者にも丁寧にわかりやすく」を大切に執筆いたします。趣味は編み物とボルダリング。日々、精進。「第22回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。
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