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熱性けいれん時の5つの対応と座薬を使うときのコツを薬剤師が解説

熱性けいれんがおきたとき、どのように対応すればいいか知っていますか?

突然意識がなくなり、震えている我が子を見て冷静でいられる親御さんはいません。

薬剤師ライター

伊東ひなさん

筆者も、こどもがはじめて熱性けいれんをおこしたときは、かなり慌ててしまいました。

しかし、けいれんがおきた際には、落ち着いて適切に対応することがとても大切です。

また、医療機関を受診すると、解熱やけいれん予防の目的で座薬を出されることがありますが、はじめは上手にいれるのに苦労するでしょう。

この記事では、薬剤師であり2児のママでもある筆者が、熱性けいれん時に親御さんにしてほしい対応や座薬をうまくいれるコツを解説します。

目次

熱性けいれんの基本知識

子育てをしていると、一度は「熱性けいれん」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。発熱すると「自分のこどもにも熱性けいれんがおきるかも」と不安になりますよね。

こどもの熱性けいれんは、誰しもおこりうる身近な病気です。

薬剤師ライター

伊東ひなさん

ここでは、熱性けいれんがどのような病気なのか、おもな症状とともにお伝えします。

熱性けいれんとは

熱性けいれんとは、おもに生後6か月から5歳の乳幼児期に、38度以上の発熱とともにおこるけいれん発作です。[1]日本での発症率は7〜11%ですが、家族に熱性けいれんを経験した人がいる場合は、さらに確率は高くなります[1]

また、熱性けいれん診療ガイドライン2015によると、熱性けいれんの再発率は約30%とされています。[2]

おもな症状

熱性けいれん時に見られるおもな症状は、以下のとおりです。[1][2]

  • 全身がつっぱり、手足がガタガタ震える
  • 白目をむく、目が左右どちらかに寄る
  • 突然意識を失う
  • 左右対称にけいれんしている
薬剤師ライター

伊東ひなさん

上記のような症状を見ると驚いてしまいますが、冷静な対処が適切な治療につながります

けいれん時にしてほしい5つの対応

「実際にけいれん発作がおきたら、何をしたらいいのかな」
「パニックの中で正しく対応できるか不安」
と思っている方は多いのではないでしょうか。

ここでは、実際に発作がおきたときに、これだけはしてほしい対応を5つ紹介します。どのようなときでもすぐに思い出せるよう、筆者の経験をもとにまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

まずは気持ちを落ち着かせる

けいれんをはじめて見ると「死んでしまうのではないか」と心配になりますが、けいれん発作の多くは数分でおさまり、死に至ることはほとんどありません[3]

薬剤師ライター

伊東ひなさん

熱性けいれんは、親御さんの冷静な対応がとても大切です。一度、深呼吸して落ち着きましょう。

こどもの体と顔を横向きにする

周囲の安全を確認したあと、こどもの衣服をゆるめ、体と顔を横向きにします。[3]

けいれん時に泡をふいたり、吐いたりする可能性があるため、窒息を防ぐためにも体と顔は上向きにせず、横向きにしてあげましょう[3]

口の中にものをいれない

舌をかまないようにと、口の中にものをいれるのはやめましょう[1]口の中に指やタオルなどをいれると、吐く原因になり、呼吸がしにくくなります。[3]

薬剤師ライター

伊東ひなさん

また、口の中を傷つけてしまう可能性もあるため、口の中には何もいれないようにしましょう。[3]

体をゆさぶらない

けいれん時、こどもは私たちの声かけにも反応できません。心配になりますが、決して体をゆさぶらないでください。呼吸がいっそう苦しくなり、かえって危険です。数分以内でおさまるけいれんがほとんどのため、見守りましょう。[3]

こどもの動画を撮影する

こどもの安全を確保したら、けいれん時間を測り、発作の様子(左右対称か、目の動きなど)を観察します。[2]「様子を覚えていられる自信がない」という場合には、時間がたっても様子を正しく伝えられるよう、スマートフォンなどでけいれんの様子を動画撮影するのもおすすめです。

救急車を呼ぶ判断基準

ここでは、救急車を呼んだほうがいいケースと、けいれんが止まったあとの受診のタイミングについてお伝えします。

また、「救急車を呼んでいいのかわからない」と迷ってしまう親御さんも多いでしょう。判断に迷った際に、医師や看護師に相談できる窓口があります。

薬剤師ライター

伊東ひなさん

子育て中の方にとって頼れる存在となるため、この機会にぜひ覚えておきましょう。

救急車を呼んだほうがいいケース

こどもの様子を観察してみて以下のような状態になっている場合には、救急車を呼びましょう。

  • けいれんが5分以上続いている
  • けいれんが止まっても意識がもどらない
  • 顔や唇の色が紫色になった
  • 短時間にけいれんをくりかえす

上記のような症状のときは、病院での専門的な治療が必要です。[1][4]

薬剤師ライター

伊東ひなさん

迷わず119番をしましょう。

けいれんが止まったあとの受診のタイミング

けいれんが5分以内に自然に止まったとしても、以下のような症状の場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

  • はじめてのけいれん
  • 意識がもどってもボーっとしている

上記のような症状のときは、日中であればかかりつけ医、夜間・休日であれば救急に、落ち着いて向かいましょう。[1]

迷ったときの相談窓口

「はじめてのけいれんで、救急車を呼ぶべきかわからない」といったときの心強い相談先として、以下の相談窓口を覚えておくと安心です。少しでも迷った際は、電話してアドバイスをもらいましょう。

#8000(こども医療電話相談)夜間・休日にこどもの症状で困ったときの相談窓口。小児科の医師・看護師に電話で相談できます。[5]
#7119(救急安心センター事業)救急車を呼ぶか迷ったときの相談窓口。医師・看護師・相談員が情報を聞き取り、必要に応じて救急車を出動させます。[6]
救急車を呼ぶべきか迷った時の相談先

ただし、地域によって対応時間や番号が異なります

薬剤師ライター

伊東ひなさん

ぜひ一度、自分の住んでいる地域をチェックしておきましょう。

熱性けいれんの治療薬

熱性けいれんでは、症状に応じて解熱やけいれん予防の座薬が出される可能性があります

ここでは、はじめて処方された場合でもうまく使えるように、現役薬剤師の筆者が座薬をいれるコツを紹介します。

薬剤師ライター

伊東ひなさん

こどもの具合や機嫌のわるいときに薬を使うのは大変ですが、ぜひコツを参考にし、わからないことが出てきたら医師や薬剤師に相談してみてください。

処方される治療・予防薬や解熱剤

熱性けいれんは数分でおさまることがほとんどですが、医療機関において発作の予防薬(おもにジアゼパム座薬)が処方されることがあります。[1][2]また、熱のつらさを和らげる目的で解熱剤が処方されることもあります。[2]

薬剤師ライター

伊東ひなさん

ただし、症状や医師によって処方薬は異なり、必ず薬が処方されるわけでもありません。

座薬をうまくいれるコツ

はじめて座薬を使う方でもわかりやすいように、基本的な手順とポイントを以下に表でまとめています。表は補足程度に使用し、病院や薬局で教わった手順で座薬をいれていきましょう。

手順ポイント
手順1座薬を使うまえに、できるだけ排便を済ませておく[7]座薬を使ったあとに便をしてしまったら、追加はせずに、医師や薬剤師に相談しましょう。
手順2包装から座薬を取り出し、指やティッシュペーパーなどでつまむ[7]座薬が冷たい場合は、こどもが嫌がらないように手であたためてから使うといいでしょう。
手順3こどもを仰向けに寝かせ、両足を持ちあげる[8]「赤ちゃんがおむつを替えるときの姿勢」をイメージしましょう。[8]
手順4座薬のとがったほうから肛門にいれ、薬が出てこないように4~5秒おさえる[7]薬の先に、プロペトや少しの水をつけるといれやすくなります。[7]
座薬を入れる手順とポイント
薬剤師ライター

伊東ひなさん

もしいくつかの座薬を一緒に使いたいときは、薬の種類によっていれる順番があるため、医師や薬剤師に相談しましょう。

熱性けいれんで慌てないために

突然の熱性けいれんで慌てないために、事前に対応方法を知っておくといいでしょう。こどもの安全を守れるだけでなく、自分の行動に自信がもてるため安心にもつながります

薬剤師ライター

伊東ひなさん

筆者も対応を知っていたおかげで、パニックの中でも適切に行動できました。

こどもにとって身近な病気だからこそ、この機会にぜひ対応をイメージしておきましょう。

<参考>
この記事の執筆者

薬剤師ライター:伊東ひなさん

明治薬科大学卒。大手調剤薬局で小児科、整形外科、眼科、内科と多種多様な処方を扱い、幅広い年代の服薬指導を経験。現在は薬局勤務をしながら医療ライターとして活動中。執筆では、「人の気持ちに寄り添う心」を軸に、誰でもわかりやすく、安心できるような優しい文章を意識しています。「第22回Medi+医療ライターのはじめかた講座」卒業生。
X:https://x.com/itohina_writer?s=21

伊東さんも受講した「医療ライターのはじめかた」講座はこちら

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